寺田本家

銘柄:『五人娘・香取』(読み:ごにんむすめ・かとり)

酒蔵:寺田本家(読み:てらだほんけ)

住所:千葉県成田市香取郡神埼町

蔵元杜氏:寺田 優

23代寺田啓佐が自らの病をきっかけに生命(いのち)の視点で“人様のお役に立つ、本物の酒”を目指し始めた自然酒造りを始めたそうです。

それまではコストを抑えるために、安い酒米ばかりを求めてきましたが、酒造りを根本から変えるため無農薬米を探すことに。山形の農家を訪ねようやく手に入れたそうです。

無農薬無化学肥料の米は、何年たっても変わらずに芽が出ます。その感動を感じて23代啓佐は決意を固めたそうです。

現当主24代目の寺田優氏は先代の思いを受け、昔ながらの自然酒、本物の味をいつまで楽しんでいただけるようにと、すべての商品、無農薬米、自然な造り、無濾過にて流通しています。

先に取り扱いをしていた、福島県郡山市の仁井田本家がきっかけで2020年より取り扱いの許可をいただき販売開始いたしました。

■自然な日本酒は色がついている。

日本酒は無色透明なものと思っている方もいらっしゃるかもしれません。実はこれは出来上がったお酒に炭や珪藻土を入れて色や雑味を取り除く“ろ過”をしているから。

できあがったままの日本酒はキラキラと美しい淡い山吹色をしています。寺田本家ではこれを“琥珀色”と呼んでいます。“ろ過”をすると、とてもキレイな酒になるのですが、微生物が醸してくれるたくさんの成分をも取り除くことになってしまいます。

寺田本家はすべての商品を無濾過で製造しています。ですので、すべて、「琥珀」の色がついています。これが、自然な日本酒の色です。

『仁井田本家』

『にいだしぜんしゅ・穏』『にいだしぜんしゅだやか』

にいだほんけ

福島県郡山市田村町【蔵元杜氏:仁井田穏彦】

「日本の田んぼを守る酒蔵になる」ことを目指し、蔵のある田村町の水や山や田畑を守ろうと始動したのが「田村町有機の里計画」。

酒造りの基本に、健全な酒米を生産することから始めています。出来上がった酒も、実にナチュラルでスムース。

それもそのはず。商品に使われる現象はすべて自社栽培の無農薬有機米。安心で安全な酒造りを目指したら、自然と自分たちで米作りからやるようになりました。

「にいだしぜんしゅ」シリーズはその名の通り、自社で栽培された米と、蔵に棲んでいる自然酵母(蔵付き酵母)からなるラインナップ。

「穏」シリーズは、自社栽培の自然米に自家培養の白麹で造られたお酒。どちらも弧を描くような丸みを帯びた優しい口当たりの味わいです。

酒蔵の経営方針にすごく共感したので、なかやす酒販では蔵にお願いして、富山県で唯一、全商品を販売させていただいています。

土井酒造場

どいしゅぞうじょう

『開運』 『かいうん 』

静岡県掛川市小貫【蔵元:土井弥市 杜氏:棒葉 農】

静岡酵母と能登流の醸し人が奏でる祝酒「開運」。

静岡の地酒発展のために大きく貢献した土井社長。かつて平成21年までは、7年連続全国金賞の偉業を成し遂げた能登杜氏四天王の一人波瀬正吉が40年あまり務めていたが、急逝したため現在は一番近くで学んでいた棒葉杜氏が全てを取り仕切っている。波瀬杜氏の意思を継ぎ、棒葉杜氏もまた全国金賞の常連になっています。

能登杜氏らしい厚みのある味わいが特徴です。

渡辺酒造店

わなたべしゅぞうてん

『根知男山・nechi』『ねちおとこやま・ねち』

新潟県糸魚川市根小屋【蔵元杜氏:渡辺吉樹】

「米を作り、田んぼを守る」

根知男山は、自然豊かな根知谷で、米作りから酒造りまで全て自社で取りくんでおり、酒米の最高品質を目指しながら、「日本酒のテロワールを語るドメーヌ」を目指してます。

平成13年に杜氏制度を廃止し、社員による酒造体制を実施しました。

日本酒の本質的な価値と捉えている、「酒蔵が原料米となる米を作り、その土地の水で醸造すること」を大切にされています。

そのため、日本酒業界に留まらず、世界中のワイン業界からも注目を集めています。それもそのはず、高級酒シリーズの「nechi」シリーズは、フランス ブルゴーニュ地方で行われている醸造方法、販売方法に近く、田んぼのエリアごとに日本酒が醸造され、それらすべてが違う商品として発売されます。販売方法も、一般的な流通ではなく、専門の販売問屋に任せ、全国の限られた酒販店のみに流通される仕組みとなっています。

富山県ではなかやす酒販だけの販売となっております。

希少な日本酒として世界中から注目される渡辺酒造店をぜひおすすめします。

南部酒造

なんぶしゅぞうじょう

『花垣』『はながき』

福井県大野市【蔵元:南部隆保】

福井県酒造組合長・南部隆保社長率いる南部酒造「花垣」は山間の米どころ、酒米の生産量は全国トップクラスを誇る福井県大野市にあります。

花垣で使う酒米は、山田錦、五百万石、亀の尾・など。黒谷地区の酒米は全て花垣専用酒米というほど、地元米へのこだわりがスゴイのです。

この地区は、朝日は当たるが西日は当たりにくい。その地形が米の栽培に適していて、寒暖差が大きく酒米にとって好条件を備えている。

常山酒造

とこやましゅぞう

『常山』『じょうざん』

福井県福井市御幸【蔵元:常山由紀子】

福井県の酒蔵の中で最も福井駅から近くにある酒蔵です。米どころ水どころとして知られ、福井県は30以上の酒蔵が存在します。蔵元の常山社長曰く、『気が付くと常山の酒がそこにあったと言うような、自然に皆様に愛される酒でありたいと願っています。』

酒造りの目標は、『飲み飽きしないキレの良い酒を造り、常山酒造を日本一の酒屋にする事』とのこと。『音楽や美術のように人の心を豊かにし、楽しいときに選ばれるお酒であり、一日の疲れを癒すホッとするお酒でありたい。』そんなお酒に間違いなく一歩一歩近づいていることが、常山社長や杜氏のお話を聞いて実感できました。

この常山はキレのある辛口を得意としています。特におすすめは「超辛純米」と「とびっきり辛口」です。本当にキレのある辛口が飲みたい。という日本酒ファンの思いをしっかりと体現した日本酒。ですが、ただ辛いだけではなく、飲み口の最後にはふわっと米の旨味を少し感じさせてくれるのが、絶妙です。

辛口がお好きな方はぜひ賞味ください。

 

一本義久保本店

いっぽんぎくぼほんてん

『伝心・一本義』『でんしん・いっぽんぎ』

福井県勝山市【蔵元:久保格太郎】

福井県勝山市唯一の酒蔵でありながら、福井県最大の生産量を誇る蔵でもあります。

明治35年創業。四方八方山に囲まれたこの勝山で、地元の酒米と水を中心とした、奥越前の酒を真摯に醸しています。

通常流通酒の「一本義」とは別に、なかやす酒販は、限定流通酒の「伝心シリーズ」がすべて揃っている、富山県内でも数少ないお店です。

この伝心シリーズは、勝山の地で作られる酒米と、そこで湧き出る良質な水、福井県産の酵母で作られる限定酒です。コストパフォーマンスに優れ、たくさんの酒ファンを魅了しています。

年間を通して限定酒も出ますのでぜひ注目していてください。

車多酒造

しゃたしゅぞう

『天狗舞』『てんぐまい』

石川県白山市坊丸町【蔵元:車多一成】

「天狗舞を飲んではじめて酒の旨味がわかった」
どんな賞よりも、お客様のその一言が至上の喜びです。それぞれの蔵には追い求めるものがあります。それは蔵にとってどうしても捨てられない根幹をなすものです。天狗舞が追い求めるものは“飲んで旨い酒を、熟練の蔵人が醸す、本物の酒造りの伝承”ということです。しかし、現在、熟練した蔵人の数は少なくなっています。過去から現在へと継いできた技を、そして酒造りの喜びを、私たちは次代へ継承してゆきたいと思います。天狗舞は加賀の自然と人が造るのですから。

杜氏は若手に技を伝授します。しかし、ただ単に教わるだけでなく、技を盗み、守り、壊し、新しい伝統を創ってほしいと願っています。酒造りは奥が深く、蔵人たちは数年がかりで酒造りの入口に立ち、また幾年もの歳月をかけて酒造りを理解してゆかねばなりません。社員である前に“職人”でなければ、技を継ぐことはできません。私たちは、人が自然とともに酒を醸す蔵です。それを忘れずに連綿と酒造りを続けてゆきたいと思います。酒造りの喜びを追い求めて・・・・・・・。(車多酒造公式HPより引用)

■これを呑まずして、やはり山廃は語れない『天狗舞』

ロンドンで開催されるIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)純米酒部門でトロフィー(Goldメダル受賞酒中の最高位)を何度も受賞した純米酒・山廃造りの代名詞とも言われる天狗舞の看板商品!山廃仕込み特有の濃厚な香味と酸味の調和がとれた個性豊かな純米酒や、米の旨味を充分に引き出す、天狗舞独自の山廃酒母造りで醸された、芳醇でさばけのよい「美しき旨し酒」の風味を堪能できる純米吟醸がおすすめです。

天狗舞ならではの芳醇な味わいをごゆっくりお楽しみください。

菊姫合資会社

きくひめごうしがいしゃ

『菊姫』『きくひめ』

石川県白山市鶴来新町【蔵元:柳 達司】

菊姫を語る上で、やはり避けて通れないのが“山廃仕込み”と呼ばれる伝統の技。一般的に多くの酒蔵さんで行われている速醸仕込みは、酸が柔らかく口当たりが良い味わいが特徴で、酒母が出来上がるまでにおよそ2週間。一方、この山廃で仕込まれたお酒は、酒母が出来上がるまでに4週間と倍の時間が必要となりますが、酸の効いた濃厚な旨みが特徴のお酒に仕上がります。菊姫では、酒質の目標を明確に打ち出し、この2つの酒母を使い分けているそうです。

「大吟醸は大吟醸、純米は純米と製品をきっちりと造り分ける。そして、それが常に普通にできる安定感。例えお米の出来が悪くても、これまでの酒造りの中で培った豊富なデータを上手く生かすのが菊姫の強み。」と、蔵人は熱く語っておられました。また、その語り口は、歴史の重さ、そして菊姫という看板を背負った誇りを強く感じさせるものでした。

松浦酒造

まつうらしゅぞう

『獅子の里・鮮』『ししのさと・せん』

石川県加賀市山中温泉【蔵元杜氏:松浦文昭】

石川県加賀市山中温泉にある、松浦酒造は、安永元年(1772年)の創業。

山中温泉の中心街に利き酒やお土産などをお買い求めいただける直営店があり、そこから歩いて5分位のところに蔵があります。一昔前、町全体が全焼する大火があり、蔵も焼失。その教訓を生かし、蔵と直営店を別々に建てたとのことでした。また、山中温泉ではその昔、宿に内湯が無かった頃、湯治客を町の中央にある湯座屋まで案内する湯女(ゆな)がおり、彼女たちのことを「獅子」と呼んでいました。湯治客の浴衣を頭からかぶって待っている姿が獅子に似ていたため、そのように呼ばれていたそうです。

蔵を案内していただいたのは、蔵元で杜氏でもある松浦文昭さん。物腰も柔らかく、大変謙虚な方ですが、ユーモアがあって、ちょっとロマンチストな一面も(笑)。そんな松浦さんは、元々家業を継ぐつもりはなかったそうですが、大学卒業後、気持ちが一変・・・。家業を継ぐことこそが自分の運命!と決め、全国の酒蔵さんで蔵人として修行されました。その修行された蔵の中には、あの十四代の高木酒造さんが!今でも高木さんとは交流があり、「高木さんは、僕にとって酒造りにおける、“心の師匠” なんです。」と、話しておられました。

看板商品でもあり、数多くの著名人にも愛飲されている、活性清酒の『鮮』はぜひ一度飲んでください。今となっては数多く市場で目にする活性タイプの日本酒ですが、おそらくこの『鮮』がその奔りといっても過言ではありません。そんな口当たりの柔らかい上品な甘さと心地よい発泡感が特長の『鮮』ですが、シャンパンと同じ瓶内2次発酵で、出荷するまでに6ヶ月間、3~4℃の冷蔵庫で熟成させます。この3~4℃というのがミソで、あまり温度が低すぎると、酵母が死滅してしまい、逆に温度が高すぎると、酵母が働きすぎてしまうとのこと。瓶内2次発酵という、発売当初の頃はかなり珍しかった活性清酒を世に送り出すなど、大変研究熱心な松浦さん。実は酵母の培養もされており、以前はアルプス酵母などの香り系の酵母も使用されていたこともありますが、これからは香りが控えめな金沢酵母にこだわっていきたいとのことでした。その理由として挙げられるのが、松浦さんがこだわる “食中酒”としてのお酒。香りの強さは料理を邪魔すると考えておられ、例えば、十四代の高木さんは、一杯飲んで満足する酒を目指して造っておられますが、松浦さんは、料理から一歩下がって、口に運んだときに料理にそっと寄り添うようなお酒を目指して造っておられます。確かに獅子の里は、どれを飲んでもお酒が主張することなく、あくまで料理を引き立てる “名脇役的な存在”。まさに松浦さんの人柄がそのままお酒にのり移ったかのようです。また、貯蔵にもこだわっておられ、お酒は基本的に無濾過。そして純米吟醸以上は全て一回火入れの瓶燗・瓶貯蔵。高木さんに習い、瓶詰めまでの時間を短縮し、フレッシュ感と少しガス感を残すことで酸化しにくいお酒になるそうです。確かに近年の獅子の里は、後ギレの良さに、プラス!フレッシュな心地よいお米の旨みが感じられるお酒になっています。

蔵の隅々から、仕込み水に使っている裏山の湧水場まで、丁寧に丁寧に時間をかけて案内してくださった松浦さん、本当に本当にありがとうございました。