きくひめごうしがいしゃ
『菊姫』『きくひめ』
石川県白山市鶴来新町【蔵元:柳 達司】
菊姫を語る上で、やはり避けて通れないのが“山廃仕込み”と呼ばれる伝統の技。一般的に多くの酒蔵さんで行われている速醸仕込みは、酸が柔らかく口当たりが良い味わいが特徴で、酒母が出来上がるまでにおよそ2週間。一方、この山廃で仕込まれたお酒は、酒母が出来上がるまでに4週間と倍の時間が必要となりますが、酸の効いた濃厚な旨みが特徴のお酒に仕上がります。菊姫では、酒質の目標を明確に打ち出し、この2つの酒母を使い分けているそうです。
「大吟醸は大吟醸、純米は純米と製品をきっちりと造り分ける。そして、それが常に普通にできる安定感。例えお米の出来が悪くても、これまでの酒造りの中で培った豊富なデータを上手く生かすのが菊姫の強み。」と、蔵人は熱く語っておられました。また、その語り口は、歴史の重さ、そして菊姫という看板を背負った誇りを強く感じさせるものでした。